青いノォト

アクセスカウンタ

zoom RSS わたしが十七歳だ。

<<   作成日時 : 2008/01/24 20:21   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 2

 
画像


十七歳 


部屋の真ん中に、
椅子を用意して、
呼び出してみた。
交霊術みたいに。
十七歳の自分を。
三十五年前の〃わたし〃は、
とても不機嫌そうだ。

テーブルをはさんで、
五十二歳ですと、自己紹介。
挨拶は返ってこなかった。
向こうで漫画でも読んでたのか。
いったいなんの用? と怒っているみたいだ。

そりゃ、親子ほど年が離れてるし、
弾んだ会話にはならないだろうけど、
未来に来てるんだから、
もう少し喜んでもいいだろうって。

少年は、
丸坊主で、めがねは、まだかけてない。
とても痩せていて、
嘘っぽい眼の光が、こちらをにらんでる。
「何を聞いても驚くもんかという顔」を作ってる。
考えていることが、まるみえで、
わらっちゃいそうになる。

黙ってると、
「結婚はしてるんですか?」と聞いてきた。
「はい」とだけ答えた。
「体重何キロですか?」
「八十二」
不機嫌そうだった。

「この時代もまだ受験地獄ありますか?」
 残念ながらね。
「公害はなくなりましたか?」
 地球規模で温暖化。
「ルンペンの人はいなくなりましたか」
 増えたよ。
「核兵器はなくなったんでしょ?」
 増えたよ。
「また、使っちゃったんですか?」
 それはないけど、核実験はしてる。
「でも戦争をしている所はないですよね」
 あるよ。

不機嫌そうだった。

「何をしてたんですか?」
と、小さな声がした。
「もっと良くなってると思った」
とても不機嫌そうだった。


「あ、、いま、わたし、プランターでキュウリを作ってる」
「三番目の娘は、あんたと同じ高校生で、
遺伝子の勉強をしてる」
それだけ言うのがやっとだった。

細長い缶に入った
グレープジュースを飲み干して、
十七歳のわたしが、
五十二歳のわたしを、
じっと見た。そして、
ゆっくりと、
視線を落とした。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
自分の少年期を孫たちの生き様に重ねて見ると、切ないですね。
HIRO
2008/01/25 09:40
わたしの孫は、
三歳の女の子ですが、
大きくなって、
もしも、この詩を読むことか゜あったら、
どんな感想を持つのでしょう。
みおよしき
2008/01/25 13:47

コメントする help

ニックネーム
本 文
わたしが十七歳だ。 青いノォト/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる