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zoom RSS わたしが鬼だ。

<<   作成日時 : 2008/01/06 16:10   >>

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「怖がりの鬼」


鬼が、
おつかいに行くこともある。
朝、バイクに乗って
フランスパンを買いに、
コンビニまで行って、
帰って来たら――、

マンションの入り口の所で、
猫が死んでいた。
鬼は怖がって、
立ちつくしてしまった。

白い毛の長い猫だった。
けがをした様子もなく、
病気で痩せたふうでもなく、
綺麗に死んでいた。

鬼は、怖がって、
ずっと立って、
ずっと猫を見ていてた。

おなかの方に、しっぽを巻いて、
青い眼を半開きにして、
足はピンピンに突っ張って、
そのまま持ち上げたら、
立てかけておけそうな姿で、
猫は死んでいた。

鬼は怖がって、
泣きはじめた。
うちに帰れないし……
おなかがすいたし……
鬼は、大声で泣き始めた。
袋から、フランスパンを出して、
少しちぎって、
食べながら泣いた。
それから、猫を見たら、
まだ、とても怖かったので、
もっと大きな声で泣いた。

ひょっとしたら、
自分がバイクで出かける時に、
跳ねたんだろうか?
不安になって、
鬼は、え゛っ、びぇ〜と、
えずくように泣いた。

もうちょっと、
横の方で死んでくれていたら、
すり抜けて、うちに帰れるのに――
鬼は、いいこと考えた。
「うん、うん、それしかないよ」
それがベストだった。
鬼は、食べかけのフランスパンの、
まだ、先っぽの丸い方で、
猫を押した。
猫は押されて、
ゴロンとひっくり返った。
それを見て、鬼はびびって泣いた。
ごめんよ〜、ごめんよ〜と泣いた。
泣きながら、もっと怖くなったので、
ぎゅうぎゅう押した。

猫が、
猫の、右目だけパッチリ開いた。
しっぽが、
しっぽだけ、ピンと空を向いて立った。
それから、ゆらゆら揺れた。

鬼は、びっくりして
尻餅ついて泣いた。
腰抜けて泣いた。

猫が起き上がった。
にゃあ、鳴いた。
鬼の膝の上にのぼって、
鬼のほっぺたをなめた。
お昼寝していただけだった。

鬼は、ほうっとして泣いた。
うれしくて泣いた。
生きてたんだ、生きてたんだ、
よかったよう、よかったよう。

鬼は、猫を抱いて、
マンションに入った。
「いっしょにパン食べよ」
鬼は笑った。
猫は、くしゃみした。

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