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zoom RSS わたしが「おじさん」だ。

<<   作成日時 : 2008/01/17 11:12   >>

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画像


 
 スケートリンク


 暗いスケートリンクだった。
 耳をつくロックミユージックが流れて、
 レーザー光線が明滅する場内を、
 規則正しい間隔で周回する影たち。
 ほとんどが十代の子どもたちだ。

 スケー卜靴に履きかえて、
 わたしの娘も一つの影になった。
 場違いな大人は、
 ビュッフェの食券を買う列に並ぶ。
 さほどの人数でもないのに、
 列はなかなか進まない。
 食券を売っているのは自動販売機。
 両替機がその側にあり、
 機械仕掛なのに手間取るのか?
 みんな、
 押しボタンを前にしても迷う年頃だからだ。
 待つ、待つ、待つ。
 しかし、
 わたしがコーヒーを手に椅子に座るまで、
 誰ひとり文句を言わなかった。
 「早く、早く」喉の奥でつぶやいていたのは
 この「おじさん」だけだったろう。
 休日の子どもたちは、のんびり語らいながら、
 順番を待っていた。
 「早く、早く」
 家庭で、学校で、塾で浴びせかけられる言葉を、
 自分で使うのを拒むかのように。

 ビュッフェで働いているのも、
 やっぱり産毛の残る顔をした、
 アルバイトの少女たちだった。
 笑顔で、てきぱきと注文をこなし、
 手の動きも無駄がなかった。
 そこには、
 若者たちのつくった調和があった。

 リンクは穏やかな音楽に変わっている。
 照明も少し明るくなり、
 ぎこちなく滑るわたしの娘も見分けられる。
 「女の子だけのブレイクタイムです」
 場内アナウンスが告げる。
 少年たちは手摺りに掴まり片手を差し出す。
 少女たちは、歓声をあげて
 リンクの中心に集まって滑るが、
 周回の輪を徐々にひろげて、
 双方から出された手が触れあう。
 ホークダンスのように
 タッチ アンド タッチの輪が流れていく。
 知り合いも知らないものも、
 アイスリンクは笑顔があふれている。
 子ビもたちの手袋ごしに合わされる掌に
 どんな さみしさと ぬくみがあるのか、
 わたしは推し量ろうとして、
 彼らのコロニーの中で目を閉じる。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
描写お上手ですね。HIRO
HIRO
2008/01/18 10:47
ありがとうございます。
でも、誤字やミスタイプが多々あって
はずかしいです。
「眼」か「脳」が、劣化しているようです。
ときどき、ひらがなもまつがえます。
みおよしき
2008/01/18 11:51

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わたしが「おじさん」だ。 青いノォト/BIGLOBEウェブリブログ
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