青いノォト

アクセスカウンタ

zoom RSS わたしが嫁だ

<<   作成日時 : 2007/11/20 18:00   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 3



画像


夜、嫁、唄う。


嫁が、
酒を飲んでいた。
夜、
台所の、流しの上の、
小さな灯りだけをつけて――

「今夜は、
会議もないし、
どこにも出かけなくていいから」
と、
料理に使っている
甘口の日本酒を、
冷たいまま、
桃色のワイングラスにそそいで、
飲んでいた。

嫁は、ゲコだ。
おろしいほどゲコだ。
ビールを一口飲んで、
真っ赤になって
倒れてしまったこともある。

それが、
日が沈んだばかり、
夕方のニュースもやってない時間から、
冷や酒を、
一杯、二杯と、
ソーダ水のように飲んでいる。

嫁は、
唄い上戸らしい。
よっぱらって、
いつもより高い音域で、
楽しそうに、歌っている。

  いち、に、さん、しい、
  虚空蔵や〜まの、
  てっぺんにぃ
  あ〜かいキツネが三匹と
  あ〜おいキツネが三匹と
  あわせて六匹、おそがいな
  とぉなりのたわけが だーまされて、
  ごーがわいて ごーがわいて
  ごごにじゅうご。

縄跳び歌のテンポだ。
昔の子どもだった――嫁が遊んだ時、
唄っていたのだろう。
しかし、
所帯を持って、
三十年にもなるのに、
こんなのは、
はじめて、聞いた。

あまりにも、
とっぴょうしもない歌詞なので、
二度、三度と、唄ってもらい、
となりでメモをした。

「今まで、歌ったことないね」
と言ったら、
あなたの知らないことなんて
いっぱいあるわ
と、こちらをにらんできた。
あなたにはないよ、
全部わかってる。
だって、
あなたは、
わたしが、こさえたんだもん。

なんだか、
こわい話になってきたので、
少し早かったが、
夜勤の仕事にでかけた。

翌朝、
明るい台所で、
嫁が、卵を焼いていた。
冷やかすつもりで、
夕べの歌を
歌ってやった。
「とぉなりのたわけが だーまされて、
ごーがわいて ごーがわいて
ごごにじゅうご」

嫁が、
きょとんとした顔で、
ふりかえり、
「それ、なんの唄?」
と、訊いた。
真顔だった。

また〜、
おとうさんがでっちあげて
作ったんでしょ、
ヘンな唄。
と、笑っている。

キツネに騙された
隣のたわけは、
わたしだったのか。
 

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
 唄の意味を書いておきます。

虚空蔵山(こくぞうやま)の頂上に、
赤い狐が三匹と
青い狐が三匹と
あわせて六匹(出たそうだ)
おそろしいな、
隣のバカがだまされて、
にえくりかえるほど腹が立って、
5×5=25
ごごにじゅうご

岐阜の東濃弁ですが、
嫁には歌った記憶がないそうです。
おそがいのは、
わたしです。
みおよしき
2007/11/20 18:19
うわ、これ ノンフィクションですか?
おもろー っていうか、こわー
華奴
2007/11/21 21:00
■華奴さまへ
はい、実は、実話です。
先月、日比谷公園で朗読したときには、
わたしが酔っぱらって歌ってました。(笑)
こんなん、
こわいでしょ。
こわいでっしゃろ。
みおよしき
2007/11/21 23:09

コメントする help

ニックネーム
本 文
わたしが嫁だ 青いノォト/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる